くしゃみとは
くしゃみは、細菌やウイルス、ゴミなどの異物が鼻から混入した際に反射的に排出するための生理現象です。侵入した異物が鼻粘膜に付着すると鼻粘膜の神経が呼吸を司る筋肉に情報を伝達し、筋肉が大きく息を吐き出すように作用してくしゃみを起こします。
くしゃみとともに
よく見られる症状
以下は、くしゃみとともによく見られる症状となります。
- 無色透明でサラサラした鼻水
- 鼻詰まり
- 目のかゆみ・充血
- ノドの痛みや咳
- 発熱や倦怠感
くしゃみが止まらない
原因・治療
風邪
風邪を引くと、体内に侵入したウイルスを排除するためにくしゃみが出るようになります。アレルギー性鼻炎の際にも同様の理由でくしゃみが多く出ますが、風邪の場合はくしゃみとともに発熱や咳、ノドの痛み、全身倦怠感、筋肉痛などの症状も併発します。
風邪を引いた際には、まずは身体を温めて安静状態を保つことが大切です。また、冬場などで冷たい空気が鼻粘膜に入ると刺激を受けてくしゃみを誘発しますので、室温は25度程度に調整するようにしましょう。その他、部屋が乾燥していると鼻やノドを刺激するため、加湿器などを使用して部屋の湿度を適切に保ちましょう。温度や湿度が高い状態だとウイルスの繁殖を抑制できるため、マスクを着用することも効果的です。
なお、市販薬などを使用することは問題ないですが、過度にくしゃみや咳を止めてしまうとウイルスの排出を阻害してかえって病状が長引くことから、使用には注意が必要です。
アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎には、スギやヒノキなどの花粉による季節性と1年通して発症する通年性の2種類に分類されます。主なアレルゲンは、季節性の場合はスギやヒノキなどの花粉が、通年性の場合はダニやハウスダストなどが挙げられます。
アレルゲンが口や鼻から体内に侵入すると反射運動によってくしゃみが出るため、日常生活の中でできるだけアレルゲンを遠ざけることが大切です。季節性の場合には、外出時にマスクを着用したり帰宅時に服に着いた花粉を落とすようにしましょう。通年性の場合には、こまめに部屋を掃除することが大切です。ぬいぐるみやカーペット、ソファーなどの布製品はできるだけ避け、枕や布団は定期的に干してダニの死骸やハウスダストを除去するようにしましょう。
アレルギー性鼻炎の主な治療では、点鼻薬や内服薬、ネブライザーなどを使用します。症状が重度の場合には、鼻腔粘膜焼灼術や粘膜下下鼻甲介骨切除術、後鼻神経の凍結術などを検討することもあります。
血管運動性鼻炎
血管運動性鼻炎とは別名寒暖差アレルギーとも呼ばれ、季節の変わり目などに急激に寒暖差が激しくなることでくしゃみなどのアレルギー反応を引き起こす病気です。主な原因は、急激な寒暖差による自律神経のバランスの乱れとなります。原因が温度の変化であることから、冬場にはマスクを着用したり厚着をするなどして体温を一定に保つことが予防や改善には効果的です。症状が重度の場合には、アレルギー性鼻炎と同様に手術治療が検討されることもあります。
刺激物質
ほこりや小さなゴミなどの刺激物質が鼻に混入すると、これらを排除するための反射運動によってくしゃみが出ます。このような反応は一時的なものであるため、特に治療の必要はありません。ただし、慢性的に症状が現れる場合にはアレルギー性鼻炎の疑いもあるため、一度医療機関を受診してアレルギー検査を行うことをおすすめしています。
モーニングアタック
モーニングアタックとは、起床時に自律神経のバランスが乱れることで鼻水や鼻詰まり、くしゃみなどの症状を引き起こす状態を言います。自律神経は、興奮時に優位になる交感神経と安静時に優位になる副交感神経の2種類で構成されています。睡眠中は副交感神経が優位な状態ですが、覚醒すると徐々に交感神経が優位になります。交感神経が優位になると血管の収縮を促して鼻水やくしゃみといった症状を抑えるようになりますが、このスイッチがうまく切り替わらないとモーニングアタックを引き起こします。
モーニングアタックを防ぐには、起床時に寝たままの状態で指先を動かすなどの運動を行なって交感神経への切り替えをスムーズにすることが効果的です。また、もともと慢性鼻炎やアレルギー性鼻炎などの症状があるとモーニングアタックを引き起こしやすくなるため、こまめな部屋の掃除やマスクの装着、加湿器の使用などの対策を行うことも症状を緩和させる手助けとなります。
くしゃみが止まらない時の検査
鼻汁好酸球検査
鼻汁好酸球検査とは、鼻水の中の好酸球の濃度を測定することができる検査です。好酸球は白血球の一つで主にアレルギー症状があると多くなることから、この検査によってアレルギーの有無を判定することが可能となります。ただし、鼻汁好酸球検査ではアレルゲンを特定することはできません。
検査は綿棒で鼻水を採取するだけなので、患者さんへの負担はほとんどありません。
血液検査
(特異的IgE抗体検査)
アレルギー症状があると、血液中にアレルゲンに対する抗体であるIgE抗体という物質が分泌されます。そのため、血液検査によって血液中のIgE抗体を調べることで、アレルギーの有無やアレルゲンの特定をすることが可能となります。一度の血液検査で複数のアレルゲンを特定することができますが、検査結果が出るまでには約1週間を要します。
くしゃみに関する
よくある質問 Q&A
くしゃみを無理やり止めたら何か問題がありますか?
くしゃみを無理やり抑えると本来ならくしゃみにかかるはずの圧力が耳や肺に向かって鼓膜や肋骨を損傷する恐れがあるため、控えてください。くしゃみが出そうになったら無理に抑えないようにしましょう。
朝にくしゃみが多く出るのですが、原因は何ですか?
起床時にくしゃみが多く出る原因には様々な可能性が考えられます。まず、冬場などで起床時の室温が低下していたり部屋が乾燥すると、寒暖差による刺激で一時的に鼻炎の症状を引き起こすことがあります。また、通年性アレルギー性鼻炎があると、枕や布団などのハウスダストによってくしゃみや鼻水などを誘発することもあります。その他、起床時に自律神経のバランスが乱れてくしゃみなどの症状を起こすモーニングアタックという状態も、原因の一つとして考えられます。
くしゃみ以外の症状はないのですが、耳鼻咽喉科に受診した方が良いですか?
くしゃみだけが出て発熱などの他の症状が出ていない場合には自己判断で放置しがちになりますが、くしゃみが連発していると日常生活に支障をきたすため、できるだけ早めに受診するようにしましょう。中にはアレルギー性鼻炎などの症状を引き起こしている可能性もあるため、できるだけ早めに受診して検査や治療を開始されることをおすすめしております。
くしゃみが頻発しているのですが、原因は何ですか?
くしゃみが多く出る原因は、風邪・インフルエンザなどの感染症やアレルギー性鼻炎、鼻ポリープ、寒暖差・乾燥による刺激、知覚過敏など様々なパターンが考えられます。いずれにしても、気になるくしゃみが頻発している場合にはできるだけ早めに耳鼻咽喉科を受診して原因を特定することが大切です。
くしゃみが多く出る際に注意すべき点はありますか?
くしゃみが多く出る、あるいは長期間くしゃみが続く場合には、何らかの病気が関与している疑いがあります。そのため、自己判断で放置せずにできるだけ早めに耳鼻咽喉科を受診して検査を受け、原因を特定することが大切です。
薬以外でくしゃみを止める方法はありますか?
くしゃみが出る原因によっては、薬以外で症状を和らげる方法はあります。原因が通年性アレルギー性鼻炎の場合には、部屋をこまめに掃除してアレルゲンを除去することで症状が和らぎます。また、寒暖差や乾燥による刺激が原因の場合には、部屋の温度や湿度を適切に保つことで症状を抑えることが可能です。その他では、蒸しタオルで鼻を温めたり定期的に鼻うがいを行うことも一時的にくしゃみ症状を和らげる効果があります。バランスの取れた食事習慣や十分な睡眠時間の確保など、生活習慣を整えることもくしゃみの予防には大切です。
これらの取り組みを行っても症状が改善しない場合には何らかの病気が隠れている恐れがあるため、できるだけ早めに当院までご相談ください。
舌下免疫療法はどのようなくしゃみの原因にも有効ですか?
舌下免疫療法とは、舌の下に少量のアレルゲンを服用することで徐々にアレルゲンに対する耐性を獲得していくことができるアレルギー性鼻炎の治療法の一つです。アレルギー体質そのものを改善することができるため根治が期待できる治療法ですが、舌下免疫療法はアレルゲンがスギ花粉かダニである場合にしか行うことができません。

