喉(のど)の疾患

扁桃の病気

急性扁桃炎とは

急性扁桃炎風邪のウイルスへの感染や疲れ(疲労)が原因で喉にある扁桃が炎症を起こす病気です。
症状は、発赤、膨張、発熱、疼通(喉の痛み)、嚥下時痛(飲み込むときの痛み)、全身倦怠感(体のだるさ・悪寒)、痛くて食事が食べられない等があります。

治療には副作用の少ない抗生物質の内服や点滴治療を行います。
年に数回、扁桃炎を繰り返し手しまう場合、手術を検討する必要があり、扁桃摘出術・扁桃切除手術の2種類の手術があります。入院が必要となりますので提携病院をご紹介いたします。

扁桃肥大とは

扁桃肥大喉の奥にある扁桃(口蓋扁桃)が何らかの原因で肥大してしまう病気で、呼吸がしにくく、いびきや無呼吸症候群の原因にもなります。また、食事を飲み込むのに時間がかかります。治療には手術が必要な場合もあります。

扁桃周囲膿瘍

扁桃周囲膿瘍扁桃腺の裏側に膿がたまる病気です。症状は、高熱、開口障害、喉の強い痛みです。痛くて水も飲めなくなります。治療は、注射針にて膿を排膿して、抗生物質の内服と点滴治療を行います。

喉頭・咽頭の病気

喉頭炎とは

喉(のど)が痛い、声がかすれる、息が苦しい、咳(せき)が出る、発熱などの症状が出ます。
喫煙、飲酒、大気汚染、慢性的な鼻の病気、細菌、ウィルス、アレルギーなどが原因で起こる炎症です。

咽頭炎とは

喉がヒリヒリしたり、痛みがある、咳が出る、痰が出る、発熱などの症状があり、原因は細菌、ウィルス、アレルギーが主な原因で起こる炎症です。

治療方法について(喉頭炎・咽頭炎)

・内服・点滴薬による治療
・ネプライザー治療  ネプライザーとは、薬剤を霧状にして患部に効率よく薬を作用させる機会です。
・Bスポット療法(上咽頭炎の治療)
上咽頭は耳鼻科のお医者さん以外は病変を確認しづらい場所で、今までほとんど治療されてきませんでした。上咽頭は鼻の奥にあるのですが、のどの一番上でもあります。
ここに塩化亜鉛(えんかあえん)という炎症を治す薬を塗る治療をBスポット療法(又は塩化亜鉛療法)といいます。当院では、以前よりこの治療を行っております。
後鼻漏(鼻水がのどの奥に流れていく感じ)、鼻やのどの違和感、鼻やのどの痛み、鼻づまり、咽頭炎(のど風邪)などの方に本治療をおこないます。
本治療をおこなうと、炎症(赤みやただれ)が強い方ほど、薬がしみて痛みが出ます。痛みが強い方は数時間、ときには翌日まで痛みが残ったりする場合もあります。
痛みが強い方のほうが、その後の症状が改善する傾向にあります。薬を塗った後、鼻水や痰が数時間くらい続くことがあります。痛いからといって治療を中断しないようにしましょう。

喉頭肉芽腫症

喉頭肉芽腫症声帯の後方にある突起部に生じる両性の腫瘤です。症状は、喉の違和感で、咳払いが癖になっている人もいます。
治療は、投薬や切除です。

声帯溝症

左右の声帯に溝(ミゾ)ができ、声帯粘膜が振動できず、声がかすれ出しにくくなります。

喉頭腫瘍

喉頭腫瘍喉(のど)の奥にある声帯に発生する腫瘍です。良性から悪性まであるので注意が必要です。

急性喉頭蓋炎

急性喉頭蓋炎声帯のすぐ上にある喉頭頭蓋という部分が急激にはれることがあります。
症状は、喉の痛み、発熱ですが、腫れが進むと呼吸が苦しくなり窒息(ちっそく)する危険がある病気です。早めの受診をお勧めします。

急性声門下喉頭炎

急性声門下喉頭炎声帯の下の粘膜が炎症を生じて狭くなり、ひどい咳や痛み、息苦しさを生じる病気です。
ネプライザーの吸入、内服薬、点滴治療が必要です。

声帯ポリープ・声帯結節について

声帯ポリープとは

  • 声帯ポリープ
  • 声帯ポリープ

声帯炎の反復や声の酷使、喫煙などの慢性刺激により発症する病気でカラオケポリープとも呼ばれています。柔らかい腫瘤で多くは一側性です。保存的治療はあまり期待できません。

声帯結節とは

声帯結節声の出しすぎ(使いすぎ)が原因で発症する病気です。声を出すことで左右の声帯がぶつかり、そのぶつかった箇所が硬くなって声帯結節となります。声帯の前1/3に両側性に隆起します。声帯を酷使する歌手、教師、保育士に多く、いずれも乱用が原因です。また、謡人結節(ヨウジン)とも呼ばれます。主な症状は、声のかすれです。

ポリープ様声帯

ポリープ様声帯喫煙により声帯が浮腫状に腫大するブヨブヨな声帯で、低い粗造性嗄声です。まれに呼吸困難を生じます。また、喫煙者40歳以上の女性に多く認めます。

治療方法について(声帯ポリープ・声帯結節・ポリープ様声帯)

症状が軽度の場合
  • 大声をださない・どならない、禁煙する。また発声方法の矯正など
  • 以下、声の衛生のための留意点
避けるべき行動 代用行動
発声行動について 長時間話す 発声を控える、休みを入れて話す、聞き手になる、無言で相づち、時々水を摂取
力んだ発声(どなり声) 柔らかい発声(笑いを含んだ発声やアクビ発声)
どなった大声
(風邪を引いている時の大声)
相手の近くで話す、優しい調子で話す
早口で話す 力まずゆったり話す
ささやき声で話す やわらかく小さい声で話す
咳払い 水や唾液を飲み込む、無音の咳
環境や状況について 騒音の中での発声 発声を控える、マイクの使用
空気が汚染した所で発声 環境の整備、発声を控える、その場から逃避
喫煙 節煙、禁煙
喉の乾燥 水分の摂取、加湿器等の使用
上気道感染症(風邪) 予防対策
治療が必要な場合
  • 薬による治療で炎症を抑える方法
  • 手術を行って、病変を切除します。

症例によっては、日帰り手術が可能です。

その他の病気

口腔内ガンジダ症とは

口腔内ガンジダ症口腔内に存在するガンジダ菌による感染症です。
症状としては、口の中に白いカビのようなものがでます。粘膜が赤く腫れ、喉(のど)の痛み、味覚障害を起こすこともあります。
治療方法としては、うがい薬や塗り薬を使って治療します。

反回神経麻痺とは

  • 反回神経麻痺
    麻痺側声帯が弓状に萎縮し
    吸気時は外側に固定します。
  • 反回神経麻痺
    発声時に声門が完全に閉じない
    隙間が空いてしまい声が嗄れたり液体を飲んだ時にムセる

いびき・睡眠時無呼吸症候群とは

いびき・睡眠時無呼吸症候群喉の疾患や肥満などが原因で寝ている時の呼吸に問題が生じ、いびきや呼吸が止まってしまうことがあります。

睡眠時無呼吸症候群になると、十分な睡眠がとれず、昼間も眠気があり、仕事や学業に集中できなくなります。治療方法としては、原因となる疾患の治療が第1となります。治療後も睡眠が十分に改善しない場合は、C-PAPによる治療や手術治療があります。まずは睡眠を妨げている原因をしっかりと診察することが大切です。お悩みの方は、当院までご相談ください。

のどに魚の骨が引っかかったら

のど魚の骨魚の骨がのどに引っかかったときは、ご飯を丸呑みしたら骨を奥に押し込んでしまいます。症状が悪化する前に耳鼻咽喉科を受診してください。

味がわからない(味覚障害)

味覚を感じるのは、舌の表面にある味蕾(みらい)という文字通り花の蕾(つぼみ)の形をした微小な感覚器官です。
味覚障害を引き起こす原因として、味が濃い食材の過剰摂取や、タバコの吸いすぎなどもありますが、一番の原因といわれているのがミネラルの亜鉛不足です。
味蕾という細胞は、短い周期で新しく生まれ変わっており、そのためにはたくさんの亜鉛を必要とします。つまり、亜鉛が不足すると細胞が生まれ変われなくなってしまい、味覚障害を引き起こします。
認知症の初期で味覚障害に気づくこともあります。一度受診されてご相談ください。